2014年11月27日

「マイ・フェア・レディ」オリジナル・サウンドトラック

作詞:アラン・J・ラーナー
作曲:フレデリック・ロー
指揮:アンドレ・プレヴィン
   他に、オーケストレーションでアレクサンダー・カレッジ(「スタートレック」のテーマ曲を作った人)も参加しているそうです。

hoshi2映画で使われた本当のサントラ:出ています、が、サントラとしてみると不完全版。

 「マイ・フェア・レディ」のサントラは今まで2度発売されています。最初に出た昔ながらのタイプは、きちんとサントラと言える物で、オーケストラと歌だけのもの。ただ残念な事に、全曲ではありませんでした。「召使いの歌」「間奏曲」「大使館のワルツ」などが入ってません。16曲約52分

 これが残念だなーと思っていたら、「マイ・フェア・レディ」公開30周年に合わせて、新盤が発売。今度は全曲入ったのはいいものの、映画そのままの音声で、効果音やセリフまで入っているもの。これじゃ映画を見た方がいいよね、という残念盤。サントラとしてはダメダメ。27曲76分。

 ちなみに、リマスターされるまで「間奏曲」として休憩の時に入っていた曲が、30周年リマスターの際にリマスターのスタッフロールで使われる事になり、現在では「終曲」になっています。
 (新盤で“間奏曲”となっているのは、まだ本編の途中の曲。)

 なお、30周年記念盤では“イライザ:マーニ・ニクソン”などと失礼な表記がなされていましたが、実際には「いまに見てらっしゃい」などはほとんどオードリーの声です。

 あと、1963年発売の「映画の友」という雑誌では、撮影も終盤頃にインタビューでオードリー自身が、自分で全曲吹き込んだバージョンがある、と発言しています。
 その時はどれくらいオードリーの声で行くか聞かされていなかったようで、“プロの歌手ではないので難しかったですけど、頑張りました。”と答えていました。
 50周年の今回、そのオードリーバージョンも収録され、効果音などは無い2枚組の完全版などが出たらいいなあと思います。

 30周年の時に「ステキじゃない?」と「証拠を見せて」はビデオやLDの特典で収録されましたが、YouTubeではさらに「いまに見てらっしゃい」の中間部もオードリー版、さらに「踊り明かそう」「あなたなしでも」が発掘されており、残るは「スペインの雨」だけになっています。
 ただそれらはピアノ伴奏の練習版なので、オードリー自身が言っていた完成版のオードリーの歌が見つかるといいなあと思っています。

 なお、映画バージョンでの「マイ・フェア・レディ」のデジタル・ミュージックはバラ売り1曲しかありません。
 でも中身はジュリー・アンドリュースの舞台版なのに、ジャケットはオードリーというのがいくつかあって、これってオードリーにもジュリーにも失礼ですよね。
 ヒドいのは「踊り明かそう」で、映画版でもないのに表記はオードリーってのがいくつもありました。

オススメ度:★★★★(本当は星5つですが、サントラとしての出来は最初は全曲ではない、新盤は効果音やセリフの入った不完全版ということで減点)









hoshi2その他の演奏:

 名曲ぞろいの「マイ・フェア・レディ」なので、色んな演奏がありますが、映画に沿って、というより舞台版に近いかもしれません。
 ただ、公開当時は映画と全く関係ない演奏でも全てオードリーの写真がレコードジャケットに使われるくらい、映画の勢いは凄かったです。

 唯一映画と関わりの深い指揮者であり、ピアニストでもあるアンドレ・プレヴィンが出したジャズ・アレンジのピアノ版「マイ・フェア・レディ」が公式にオードリーの画像を使ってジャケットにしています。
 こののち、プレヴィンは映画を離れ、クラシック界の方へ進んでいく事になります。

  

Posted by みつお at 18:00Comments(0)第3期作品のサントラ

2014年11月26日

「シャレード」オリジナル・サウンドトラック

作曲:ヘンリー・マンシーニ

hoshi2映画で使われた本当のサントラ:出ています。2014年現在入手は容易!完全版。

 2014年現在、本当のサントラは米盤英盤の2種類出ています。後発の英盤の方が安く、音質的にはどちらも変わらないのですが、英盤では最初のユニバーサルのロゴにかかる部分の曲が1曲少ないです。

 また、英盤の方がライナーノートのページ数も画像も少なく、画像も少ないし、デザインも凝っていません。
 お好みで選べばいいと思いますが、約1000円の違いを気にしないのであれば、米盤の方が全体的に上出来です。
 米盤28曲、英盤27曲、約78分。

 なお、このバージョンのデジタル・ミュージックは出ていません。

オススメ度:★★★★★




hoshi2過去に発売されていた“自称 サントラ”版:

 「ティファニーで朝食を」や「暗くなるまで待って」でも同じなのですが、作曲のヘンリー・マンシーニは生前、映画でのフィルム・バージョンの発売を許さず、全くの別アレンジで録音したものをRCAから“サントラ”として長い間売っていました。この「シャレード」もそうです。

 「シャレード」に関しては、「ティファニーで朝食を」ほど落差がヒドいわけではなく、“自称サントラ盤”も悪くはないですが、やはり映画のバージョンではないので、音の広がり・コード進行・楽器・アレンジ・テンポなどが違います。
 完全版が出た今、やはり本当のサントラを選ぶべきでしょう。

 こちらは13曲、30分。(デジタル・ミュージックの案内の物は、「ティファニーで朝食を」の自称サントラとの2in1タイプ)




hoshi2その他の演奏:

 有名曲なので、曲だけ・歌入りなど、他の人による演奏は山のようにあります。

 日本ではやはり演奏者の人数の都合でやけに薄っぺらい編曲がなされ、聞くに堪えないのが多いです。
 海外などでは、普段はクラシックを演奏している一流のオーケストラを使って、音の厚いゴージャスな演奏があります。  

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2014年11月25日

「パリで一緒に」オリジナル・サウンドトラック

作曲:ネルソン・リドル
   Lew Spence & Alan Bergman(挿入歌:THAT FACE)

hoshi2映画で使われた本当のサントラ:出ています。2017年現在入手可能。

○2016年11月に2枚組の新しいオリジナル・サウンドトラックCDが出ました!

 これは今までの “サントラ” と称していたものとは違い、本当のフィルム・バージョンの音楽が収録されています。
 全61曲、トータル2時間15分33秒。

 また音質もリマスターされており、鮮明!
 音楽自体も明らかに今までの自称サントラよりも上出来です。
 なぜ今まで発売されてこなかったのだろうという。

 今回の本当のサントラは、フィルム・バージョンに加え、別バージョンも収録。
 さらにこれまで “サントラ” として発売されていた、実際にはサウンドスコア版だったものもディスク2の後半に収録。

 それに、これまでは収録のなかったフレッド・アステアの歌う“THAT FACE” も収録!ただし残念な事にフェイドアウトの不完全版。
 それとフランク・シナトラの歌う “エッフェル塔を盗んだ娘” は残念ながら未収録。
 それら2曲を聴きたい場合は、↓下記で後述しています。

 1000枚限定生産なので、欲しい方は急いでください!無くなると高額になります。
 アマゾンでは扱いがありません。こちらはタワー・レコードやARK SOUNDTRACK SQUAREさんで入手が可能。

○2005年にサウンドスコア版CDが出ています。こちらも2017年現在でも新品を入手可能。

 これは映画の初公開時にサントラ・レコードとして売っていた物のCD版。
 これも2016年版のサントラCDに全曲収録されています。しかも2016年版の方が音質もクリアで綺麗です。

 さらに、CDで出ている物は1曲目の頭が切れているという、ちょっと残念なプレス。
 レコードは日本版も出ていましたが、もちろんきちんと頭も切れずに入ってます。

○とても効果的かつオードリーにピッタリの“THAT FACE”は歌:フレッド・アステア。

○最初の方で劇中劇のタイトル曲として出てくるのはフランク・シナトラの“エッフェル塔を盗んだ娘”。

 アステアの方は、映画では途中で切られた後も聴けるのでいいのですが、シナトラの方は映画そのままをCDに収録してあるだけ(ウィリアム・ホールデンのセリフもそのまま)なので、買う価値はあまりありません。

 また、アステアの“THAT FACE”は、デジタル・ミュージックでも出ていますが、同じ演奏なのに、歌がコーラスになる後半部分をカットした短縮版(約2分半)も出回っています。4分越えが正しい物です。

オススメ度:★★★★(“THAT FACE”は★★★★★)2枚組の本物サントラが出て、★1つアップしました!

 ↓これがサントラレコードと同じ物。別のネルソン・リドルのアルバムとのカップリング。



 ↓こちらはフレッド・アステアの歌う“THAT FACE”。



 ↓こちらはフランク・シナトラの歌う“エッフェル塔を盗んだ娘”が収録されていますが、映画からそのままの収録。




hoshi2その他に入っているサントラ:

 オードリーのサントラ集にガブリエルのテーマが入っています。




hoshi2それ以外の演奏:

 レコード時代に、オードリー作品集で何度か他の人による演奏が入っています。本物のほうがいいです。

 あと、フレッド・アステアのお気に入りだったのか、自身による“THAT FACE”の別録音もいくつかありますが、映画とは違うアレンジになっています。



※2017年1月31日改訂  

Posted by みつお at 18:00Comments(0)第3期作品のサントラ

2014年11月24日

「噂の二人」オリジナル・サウンドトラック

作曲:アレックス・ノース

hoshi2映画で使われた本当のサントラ:出ています。ただし不完全版。

 過去に2度CDで発売されました(レコードでは出ていません)。
 ただし、元々限定品だったため2種類とも現在は入手困難です。アマゾンでの扱いも無く、サントラ専門店でも売り切れたようです。

 最初に出たプロモ盤はメインタイトルすら無く、クライマックスの音楽も別物。

 2009年に出た新盤ではメインタイトルは入ったものの、肝心のクライマックスの音楽はやっぱり別物という、サントラとして発売するにはどうよ?ってモノ。
 いつか完全版が出る事を祈ります。

 デジタル・ミュージックは未発売です。

オススメ度:★★


hoshi2それ以外の演奏:

 地味な作品&音楽なので、過去に色々出ているオードリー作品集のレコードでもほとんど収録されていませんが、一度だけ録音されたものがあります。ペラペラのソノシートなのでまだ聴けていません。  

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2014年11月23日

「ティファニーで朝食を」オリジナル・サウンドトラック

作曲:ヘンリー・マンシーニ(オードリー作品以外では「ひまわり」「ピンク・パンサー シリーズ」「刑事コロンボ のテーマ」が有名)

hoshi2映画で使われた本当のサントラ:あります。2013年に初めて市販盤でのCDが発売されました。ほぼ完全版

 それまでは一部のみの収録か、ブートレグ、あるいは下記の“サントラ”という名目のサントラでないものがあっただけでした。

 市販盤はボーナストラックがあまり良くないです。ボーナストラックではブート盤の方が良いです。
 似たようなジャケットで、下記の“自称サントラ”盤もありますので、買う際は要注意!
 こちらの本物は38曲、約79分収録。

 デジタル・ミュージックでも“自称サントラ”が大半なので、買う時に注意してください。
 本当のサントラタイプが1つだけ出ています。値段も“自称サントラ”と同じくらいなので、ダウンロードするなら圧倒的にこちらがいいと思います。

 なお、オードリーの歌う“ムーン・リヴァー” だけ欲しい方は、映画と同じオーケストラ付きバージョンが11曲目、オードリーとギターだけのバージョンが30曲目です。

 オススメ度:★★★★★



 上記のフィルム・バージョンのサントラでのオードリーのヴォーカルは、エコーを効かせ過ぎなので、もっとオリジナルに忠実な方がいい!という方のために、“ムーン・リヴァー”のみのデジタル・ミュージックもピックアップしてみました。
 あまりにもいっぱいあるので、ジャケットがオードリーのものと正規版をチョイスしてみました。




hoshi2過去の自称“サントラ”:

 作曲者のヘンリー・マンシーニは自作を録音し直して発売する事が多々あり、オードリー作品は過去に出ていた物はすべてそのタイプでした。なので、過去に出ていた物は“サントラ”と銘打っていても、本当のサントラではありません。
 しかもアレンジも全く変えて録音するため、“オリジナル・サウンドスコア”とも言えない上に、映画の雰囲気も全く醸し出さないというもの。ジャジーなイージーリスニングと言っていいでしょう。今となってはオススメしません。

 こちらは、オリジナルは12曲入り、約35分。最近ではオードリーの歌などを入れたりして、13曲以上になっているものもあります。

 オススメ度:なし

 マンシーニは本当のサントラの発売を許可しなかったので、サントラファン泣かせでしたが、マンシーニの死後家族によって許可が出たのか、やっと最近次々と本物のサントラが出始めました。



 このタイプは腐る程デジタル・ミュージックが出ています。
 が、今時こんなのを欲しがる人がいるのか?とも思いますが、一応50周年バージョンの正規版と、オードリーの歌入りで一番安くてジャケットがオードリーになっているものだけピックアップしてみました。




hoshi2それ以外の演奏

 オードリー自身が歌う“ムーン・リヴァー”は、オードリーの死後に出たサントラのコンピレーション集で初めて収録されました。

 また、“ムーン・リヴァー”は名曲なので、数えきれないくらいの人がカバーしています。一部は本当のサントラや、マンシーニが録音し直した自称サントラと一緒に収録されていました。

  

Posted by みつお at 18:00Comments(0)第3期作品のサントラ