2014年11月14日

「ローマの休日」オリジナル・サウンドトラック

オードリー最初の主演作「ローマの休日」に関するオリジナル・サウンドトラック情報です。

作曲:ジョルジュ・オーリック(元々クラシックの作曲家。フランス6人組の1人。)
   ヴィクター・ヤング(クレジット無し。オープニング曲の後半を担当)

「ローマの休日」は音楽が表立たないように作られています。「ローマの休日」の音楽と聞いて、思い出す人はほぼいないでしょう。
最近の「ローマの休日」関連の番組で、よく「ローマの休日」の音楽が使われるようになりましたが、それを聴いて “あっ、これ「ローマの休日」や!” って思う人はオードリーとサントラのよっぽどのファンでもない限り皆無だと思います。

hoshi2映画で使われた本当のサントラ:ありません。過去に1度も出ていません。

hoshi2オリジナル・サウンドスコア:1曲だけの演奏が1種類のみ出ています。

 指揮リチャード・バーナス、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によるメインタイトルです。
 オリジナルのフィルム・バージョンのスコア(総譜)に基づいて録音されたもの。《ハリウッドの黄金時代 第3集》というCDに収録。2013年発売で、録音も新しい。2014年現在、「ローマの休日」の音楽としてお勧め出来るのはこれだけ。

オススメ度:★★★






hoshi2その他の演奏:
 日本で長い間「ローマの休日」として使用されてきたのは、映画の始めでオードリー扮するアン王女が各国の大使といやいや踊るシーンで使われた“大使館のワルツ”の変なアレンジもの。

 これは日本で映画から採譜され、大幅なアレンジが加えられ、イージー・リスニング化してしまったもの。映画の雰囲気は全然ありません。
 映画でもただのBGMの扱いなので、もともと音楽の印象の薄い「ローマの休日」で、さらにこの曲とアレンジではもちろん誰1人として映画のシーンも浮かばないと思われます。
 しかもジョー役のグレゴリー・ペックとも絡んですらないシーンでの音楽。サントラとしての価値は全く無く、聞く必要もありません。

 採譜した人が難しいメインタイトルではなく、簡単に採譜出来そうな大使館のワルツを採譜したものと思われます。過去のレコードなどでは、“メイン・タイトル”などと誤って書かれているものもあります。

 演奏自体は何種類かあるものの、現在はキングレコード発売の各種映画音楽のコンピレーションCDでのみ聞く事が可能。
 収録されている歴代のものはそれぞれ演奏団体名を変えていますが、演奏は実は全く同じです。その場限りの寄せ集めのメンバーによる楽団です。

 過去にはソニー、フィリップス(現:ユニバーサル)からもイージー・リスニングのものがありました。
 それらもその場限りの寄せ集め楽団です。

 キング・レコードの演奏団体名…スクリーン・ポップス、ルネ・クレール・オーケストラ、レオン・ポップス(名称は違えど、同じもの)
 ソニー・レコードの演奏団体名…アンサンブル・プチとスクリーンランド・オーケストラ
 フィリップス・レコードの演奏団体名…ミシェル・クレマン楽団
 
 こちらもオードリーの紹介番組などでたまに使われていますが、“無駄なことしてるなー…” と思ってます。
 しかもこちらの曲を選ぶというのは、音楽を選んだ人がセンスが無い&「ローマの休日」をよく知らないんだと思ってます。 

オススメ度:なし



hoshi2その他、「ローマの休日」の音楽だと表記している間違いのサイトがあります。

 「ローマの休日」の音楽として紹介されているものがありますが、ヨーロッパ巡りをテーマにしたローマをイメージした曲に“Roman Holiday”という題名を付けて出したもの。映画「ローマの休日」とは全く関係ないです。(映画で確認済み)

 (これを紹介しているサイトでは、上記のキングレコードのイージー・リスニング演奏を “世界初録音、公開当時録音のサントラ音源!” などと書いていますが、これも誤り。演奏がレオン・ポップスと書いてある時点でサントラじゃないの丸出しだし)
 
 ↓下のものですが、聴いていただくと「ローマの休日」に使われていないことがわかるはずです。間違えて買わないでください。



hoshi2サントラと間違えやすいレコード:

 過去に「ローマの休日」のレコードとして、雑誌“ロードショー”の付録でついたものがある。映画そのままを録音した物で、セリフなども入っている。

 さらに、ジャケットすら無い某国の海賊盤の粗悪なピクチャーレコードの物がありますが、これも映画そのままを録音したらしく、セリフ・効果音そのまま。聞く価値・買う価値無し。DVDを流して聞いているのと同じ。たまにオークションに出てきますが、間違っても買わないように!

 どちらもサントラとしての価値はゼロ。

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この記事へのコメント
初めまして。映画音楽が好きな57歳男性です。
知りたいことがあります。質問よろしいでしょうか。

若い頃エアチェックで色々な映画音楽を集めていました。
最近はオンラインで音楽が聞けるサービスがあり、当時のカセットと同じ曲のプレイリストを作るなどして、カセット時代を懐かしく楽しんでいます。

しかしカセット音源のすべてがオンラインで聞けるものではなく、レコードを入手することで、クリアが音が聞けるなら、それらを買い集めるのもまた楽しと考えています。

そこで中々正体がつかめなかったのが、カセットのインデックスには「ローマの休日」と書かれた一曲。それはどうやら「(大使館の)ワルツ」と呼ばれる曲であるというところまで突き止め、そしてここにたどり着いたような次第です。見れば有益な情報満載で狂喜の至りです。

わたしの手元にあるのは、誰の演奏で、どのレコードを求めればよいのでしょうか。
・演奏時間は3:31(但しプレイヤーの性能や無音部分の取りかたなどで、5秒程度のズレはあるはずです)
・イントロ直後の主旋律は、マントヴァーニーを思わせる、ゆったりとしてディレイを利かせたストリングス。途中から装飾音多めのピアノが引き継ぎます。
ほかにこれといった特徴もありませんが、何かおわかりでしょうか。
Posted by 越村一也 at 2022年06月24日 12:46
越村一也さん、初めまして。

お返事がめちゃめちゃ遅くなってしまい、申し訳ありません。
当方のメインブログは「オードリー・ヘプバーンといつも2人で」というブログでして、こちらはサブブログなので、こちらにコメントをいただけるとは考えてもおりませんでした。申し訳ありません。

さて、越村一也さんの文章を楽しく読ませていただきました。
カセットとおなじプレイリストって楽しそうですよね!

ご質問の「ローマの休日」の“大使館のワルツ”ですが、僕の知ってる限りではキングレコード版、フィリップスレコード版、CBSソニー版の3種類の演奏があります。このうち、

キング版 2:16〜2:18
フィリップス版 3:30〜3:31
ソニー版 1:41〜1:42

とレコードから録音してPCに入れているものにはなっています。
他社盤とは明らかにタイムが違いますので、おそらくお探しのはフィリップス版だと思います。

収録されているもので僕が知っているものでは
「オードリー・ヘップバーン カスタム・デラックス」
https://audreyhepburn.ko-co.jp/e9892.html

「シャレード/オードリー・ヘップバーンの世界」
https://audreyhepburn.ko-co.jp/e10830.html

EP盤でもあります。
「スクリーン・ミュージック・リフレクション3本立てロードショー」
https://audreyhepburn.ko-co.jp/e9714.html

ジャケットがわかるように、メインブログで紹介したものを載せておきました。
演奏はいずれもミシェル・クレマン楽団、となっております。

なお、最後のEP盤は、出た時期が早いものとして「暗くなるまで待って」のジャケットのものがあります。品番がちょっとわからないのですが…。

参考になれば幸いです。
Posted by みつおみつお at 2022年07月13日 19:06
こちらこそ、返事が遅くなってすみません。
もう打ち捨てられたブログなのかなと思って、2週間を過ぎた頃から見もしませんでした。
「フィリップス版」「ミシェル・クレマン楽団」
非常に大きな手掛かり頂戴しました。ありがとうございます。なんとしても探し出したいと思っています。

手持ちの音源には、オリジナルに違いないのにLPのとアレンジや演奏時間の違うのがあったりします。シングルバージョンなのでしょうね。番組的にシングルのほうが使い勝手が良かったものだから、エアチェック音源に多く含まれているのだと考えます。

情報提供頂いたこと、重ねて御礼申し上げます。
Posted by 越村一也 at 2022年08月17日 13:14
越村一也さん、こんばんは!

読んでいただけて良かったです!
打ち捨ててはいないのですが、ちょっと空き家くらいにはなっているでしょうか笑。最近は更新も滞っています。
実は「ローマの休日」にもメインタイトルの本当のサントラも出てるのですが、まあDVDから直接録ったような感じで、おススメ出来るものではありませんが。

フィリップス版の「ローマの休日」には、「ティファニーで朝食を」ジャケットのEPもあるようです。

もし他にも何かありましたら、メインブログの「オードリー・ヘプバーンといつも2人で」のどこかに書いていただくと、すぐに気づくと思います。

今回は越村一也さんのお役に立てていればいいなぁと思っています。
ではでは。
Posted by みつおみつお at 2022年08月17日 17:13
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